酒井事務所

1%税のすすめ

ワンブタ 一分税 1%税 (なんでもかんでも1%)

(現在、GDP500兆円から10.2兆円(2011年)の消費税収が、倍になる)

 悪事を働いてもそれなりの理由はある、これを盗人にも三分の理と言い、筋の通らないことでも、その気になれば理屈は、つけられるものだ。それだけに、気疲れすることは多い。

 皆が当事者、皆が主人公でなければならない。
    瑞巌和尚、毎日自ら主人公と喚(よ)び、復(ま)た自ら応諾す。
   及(すなわ)ち云く「惺惺着(せいせいじゃく)や、?(だく)。
   他時異日(たじいじつ)、人の瞞(まん)を受くること莫(なか)れ、
   ??(だくだく)」(『無門関』第十二則)

テーマ これって、本当シリーズ?
  (1) 北欧型福祉社会が望ましい
  (2) 消費税は上げるとしたら10%
  (3) 税金の一体改革には社会保障
  (4) 複数税率は、低所得者にも優しい
  (5) 諸税は下げずに、消費税を上げる
  (6) 米国が国民皆保険へ向かうのは望ましい
  (7) 広く薄く課税することは正義だ
  (8) このままいけば、借金地獄で破綻する
  (9) もしも税金が無くなったら
  (10) 米国に消費税はない

offer  
何もかも1%課税。 消費活動にも投資融資活動にも1%課税で、消費税撤廃。
  項目 兆円(単位)  
1     国内売上計 1500  
2     土地売上 27 (国内の土地時価1000から1200)
3     住宅家賃 47  
4     給与 230 (公務員31、民間198、経営者報酬250)
5     借入金利 8 借入残800兆円 x 1%
6     医療費 36  
7     保険料 20 (生保12、損保8)
8     輸出 55 (GDP500兆円の11%)
9     金利裁定取引など    
        1923  

  確定申告 (法人税・所得税)者数(2009年3月末終了の課税期間)
    消費税納税者数 消費税還付者数 消費税税収 還付税額 Net税収
法人 260万 195万人(75%) 12万人 11.6兆円 3.0兆円 9.1兆円
個人 274万 142万人(51%) 4万人 0.55兆円 0.04兆円 0.51兆円
534万 337万人(63%) 16万人 12.15兆円 3.0兆円 9.61兆円

  消費税収 税率1%当たり税収 1人当たり納付額
1997 H  9 9.3兆円 1.9兆円  
1998 H 10 10.2兆円 2.0兆円  
1999 H 11 10.4兆円 2.1兆円  
2000 H 12 9.8兆円 2.0兆円  
2001 H 13 9.8兆円 2.0兆円  
2002 H 14 9.8兆円 2.0兆円  
2003 H 15 9.7兆円 2.0兆円  
2004 H 16 10.0兆円 2.0兆円  
平均 9.88兆円 1.98兆円 77,345円

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19兆円の説明資料  

1 課税・非課税・免税の違い

 消費税は、財貨やサービスの国内消費に対して広く公平に負担を求める。
 しかし、国内取引であっても消費に負担を求める税としての性質上や社会政策的配慮から課税の対象としないこととされている取引があり、これを「非課税取引」という。 例えば、土地や有価証券、商品券などの譲渡、預貯金や貸付金の利子、社会保険医療などの取引が該当。
 また、消費税では、この非課税取引のほかにも、課税されない「免税取引」もある。 例えば、商品の輸出や国際輸送、外国にある事業者に対するサービスの提供などのいわゆる輸出類似取引など。(タックスアンサー6205から)

2 輸出額の影響

 我が国輸出額の対国内総生産(GDP)比率は、約11.5%(中24.1%、独33.7%、韓43.4%)と低いから、仮に10%の円高によって単純に円ベースの輸出額が同じ割合で減少したとしても、GDP全体へのマイナス寄与度は1%程度と低い。

3  全産業の売上高合計の推移

2004年 1420 兆円  
2005年 1508 兆円  
2006年 1566 兆円  
2007年 1580 兆円  
2008年 1508 兆円 リーマンショックの影響
2009年 1368 兆円 国家財政規模を超える減少があった

4  実物資産取引額(とりわけ土地売買に限定)の推移

1988年 昭和63年 28 兆円
1989年 平成 元年 54 兆円
2010年 平成 22年 27.6 兆円

5  住宅家賃の説明

 帰属家賃 52兆円(15年度):2010/1〜3は計11.7兆円
 GDPの約1割(家計最終消費支出の2割近く)
「持ち家の帰属家賃」のGDP及び家計最終消費支出に占める割合の推移
  1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2003年
  S55年 S60年 H2年 H7年 H12年 H15年
対GDP 6.6% 7.0% 7.4% 8.8% 9.8% 10.6%
対家計最終消費支出 12.2 3.1 14.0 16.1 17.8 19.1
(注)いずれも名目値。            

6  給与の推移

 国民の給与総額192兆円(2009年頃)
 国家の財政規模100兆円

7  製造業の借入残高400兆円(日本銀行統計 2003年度末

  製造業向け 非金融法人向け総額 (2009.11資料)
国内銀行 286兆円    
信用金庫 41兆円    
ノンバンク 35兆円    
政府系金融機関 38兆円    
400 800  

8  医療費(厚労省)の推移

  (内閣府「国民経済計算22/12発表」)
  医療費 国民所得 割合
2007 34兆円 379 9.01%
2008 35兆円 352 9.89%
2009 36兆円 339 10.61%

9  保険料(24年3月期)の内容

  生保協会 11兆9750億円  
  損保協会 8兆2903億円  
    以上

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テーマ の詳解

@ 北欧型福祉社会が望ましい

 日本の人口127百万人(2011年ベース)動向は、将来、アメリカ 310百万人、スエーデン 9百万人、のどちらに近づくの?
 どんなに縮小しても数パーセントまで縮小するとは思えないのに、そんな国にあこがれている。

A 消費税は上げるとしたら10%

 税のアンケートでは、「上げるか? 上げないか?」 だけであって、下げるという選択肢を提供しない。 選択肢が散らばってこそ、智恵が集まり、自由でバイアスのかからない回答となるのに、選択肢はいつも2個だけ。

B 税金の一体改革には社会保障

 「税と社会保障の一体改革」とは?
 先ず、税の目的税化スローガンを掲げて、予算執行の硬直性の是非を論じることはない。 税金使途は、限定してはならない、将来の経済社会の激変に備えるためだから。

 年金問題は、老人の決定が将来の若人の負担にならないように、と言う人がいる。なのに税と社会保障とを硬直的に結びつける人もいる。
 この結びつきが、将来世代にとっては負担になることもある。
 「復興予算19兆円を、今後25年の税収で賄う」現役世代の決定は、将来世代に、おんぶにだっことなった。

 直線閾値無し仮設(1958年国連科学委員会で遺伝学者が主張したのもで、医学者の反対を押し切って、国際的合意として採用された。:近藤宗平著「人は放射線になぜ弱いか」から)、地球温暖化仮設(1988年に米上院公聴会におけるJ.ハンセンの「最近の異常気象、とりわけ暑い気象が地球温暖化と関係していることは99%の確率で正しい」という発言が、「地球温暖化による猛暑説」と報道され、これを契機として地球温暖化説が一般にも広まり始めた。
 国際政治の場においても、1992年6月の「地球サミット(環境と開発に関する国際連合会議)」にて「気候変動枠組条約」が採択され、定期的な会合(気候変動枠組条約締約国会議、COP)の開催が規定された。
 地球は温暖化しつつあり、人類の排出した温室効果ガスがそれに重要な役割を果たしているということは、議論や研究が進む中で科学的な合意(コンセンサス)となっていった(Wikipediaから)。これらと同様に、仮設を掲げても実証されたことはない。

C 複数税率は低所得者にも優しい

 世の中には、低所得に耐え得る仕組みと、そうでない仕組みとがあって、はじめて消費税は複数税率により低所得者が耐え得る税になるという思い込み。
 生活必需品への軽減税率適用が貧者に恩恵をもたらすと言う。 だとしたら、全品目に軽減税率の適用をした方が政策目標に叶うはずなのに、それはしない。

 「税率一本化の放棄」は、より大きなカケか。
 複数税率にして、多くの税収を求めても、その票田は小さいから影響は少ない。 反対に、たいした税収にならずとも票田の大きい階層(税率10%迄の納税者数は人口比80%超)には、軽減税率のアメ玉を送り込む。
 もし軽減税率適用のアメ玉がメディアに転がり込めば、メディアを通じて、国民誘導が可能となって、自らの目隠しになると理解もせずに、国民は複数税率を歓迎する。

 税率を複数税率にすると、メディアお手製の仮装世論に誘導される。
 ここ1年間、最近のメディアの消費増税大合唱は、24年10月16日青森市内で開催された新聞大会の決議文「新聞代には軽減税率適用を」の決議文に結実していた。
 ただ、長い目で見たときに、軽減税率派の産業が栄えるとは限らないとする反論もあるが、それは、いつもの議論だ。

D 諸々の税は下げずに、消費税を上げる

社会保障の原資は、消費税であるべき。 法人税、所得税、相続税であってはならない、知らぬ間に取られる仕組みの消費税の方がよい。
 気付かずに、あるいは知らぬ間に抜き取るとか、あるいは、天引きする源泉徴収制度は、正義ではない。 なぜなら、税に対する理解度アップや、その動向によっては投票動向を左右さるきっかけを奪う仕組みとなる。

E 米国が国民皆保険へ向かうのは望ましい

 米国は、我が国並みの国民皆保険へ向かおうとしているのかもしれない。
 我が国の常識が、米国では受け入れがたい仕組みと捉えられ、米国民の半数が反対をしている仕組みなのに、僅差でオバマが導入したという事実からしても、分かる。 日本の常識は世間の非常識と疑ってみた方がよい。

F 広く薄く課税することは正義だ

 広く薄く課税する(1円でも入金のある人からは徴収するという仕組み)は否定しません。 でも、投票動向を左右させるから、「広く薄く」と言う限りは、各個人にとっても、社会的に見てもニュートラルでなければなりません。
 一方において広く薄く課税し、他方において重増税率部分との乖離差を用いた世論誘導の道具となってはなりません。

 仮に、道具化した場合の想定シナリオは次のとおり。
1) 特別会計化して、消費税を負担したんだから、社会保障を受ける権利がある。母国よりもずっとましな社会保障をめがけてゾクゾクと日本上陸。
2) 年金が仮に月額7万円であっても、母国へ送金すれば、大金扱いとなって魅力的。外国人上陸はさら続いて大人数を占め、
3) 新聞代に軽減税率を適用させてみたり、適用外としてみたりの政策スイッチで、マスメディアの論調をコントロールして(今回の消費税アップ国会採決まではそのやり方でした)、
4) 世論操作により選挙権も与えてしまって、彼らの高い投票率に支えられた外人議員が多数派を占め、
5) ついに移民大国となり日本語以外も公用語となって、そのころはもう、安全で安心できる国ではなくなる。

G このままいけば、我が国は借金地獄で破綻する

 借金完済策にゴーサインを出した者の世代と負担者との世代とが一致して、後世に「負の遺産」を残すこともなくなる。

 仮に、そう言うことであれば、借金回避策としては、増税幅は5%程度ではなく、200%まで一気に徹底的に上げて債務を完済する。そして完済後は、税率ゼロに戻す。 200%なら苦しくとも2年間で完済し3年目から快適生活だ。
 100%や200%では経済が破綻するという反論もあり得るが、破綻するかしないかの境界税率論争ではなく、納税者に負担させるべき消費税の適正な税率水準とは何か? という論争にすべきだった。 今のままでは、たんに、足りない部分の補充担当者として消費税を登場させているに過ぎない。

H もしも税金が無くなったら

 国の成立には領土が要るし、領民も要る。
 税金がなくなれば、消防も警察も、生活保護もなくなって、道路はデコボコ、犯罪者も捕まらない、こんなたとえ話を引き合いに出すが、領民にセーフティーネットを提供できなければ領民はいなくなって国の存立は覚束ない、そうなったら、人が居ないのだから、気にすることもない。
 仮に、崩壊しても影響などあるわけもないたとえ話としてセーフティーネットを引き合いに増税策を説かれたら気をつけよう。安全保障の問題なのだから。

I 米国に消費税はない

 米国に消費税はないというのが財務省の言い分、消費増税を衆参議会で通すために使われた手法だ。つまり、米国小売税は地方税だから、日本の消費税との比較は出来ないという理屈で、比較表から外してきた。

 米国の小売り消費税の最高税率は、ニューヨーク市内で8.875%だから、我が国の目指す10%の消費増税導入策には向かない。それよりも、スエーデン25%を引き合いに出した方が、手っ取り早く消費増税の気運も高められる。

以上


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追加の参考資料
税率を考える上で、心得ておくべき事柄一覧

(11) タックスアンサー6205:非課税と免税の違い

 消費税は国内で消費される財貨やサービスに対して広く公平に負担を求める税金です。原則として国内におけるすべての取引が課税の対象となります。
 しかし、国内取引であっても消費に負担を求める税としての性質上や社会政策的配慮から課税の対象としないこととされている取引があり、これを「非課税取引」といいます。 例えば、土地や有価証券、商品券などの譲渡、預貯金や貸付金の利子、社会保険医療などの取引が該当します。
 また、消費税では、この非課税取引のほかにも、課税されない「免税取引」もあります。 例えば、商品の輸出や国際輸送、外国にある事業者に対するサービスの提供などのいわゆる輸出類似取引などです。 この場合には、輸出証明書を保管するなど、一定の要件を備えている必要があります。<この部分前掲済み>

 非課税と免税は、その取引のために行った仕入れについて仕入税額の控除を行うことができるかどうかという点が異なります。
 すなわち、非課税とされる取引には消費税が課税されておりませんので、非課税取引のために行った仕入れについては、原則としてその仕入れに係る消費税額を控除することができません。

 これに対して、免税とされる輸出や輸出類似取引は、課税資産の譲渡等に当たりますが、一定の要件が満たされる場合に限って、その売上げについて消費税が免除されるものです。したがって、その輸出や輸出類似取引などのために行った仕入れについては、原則として仕入れに係る消費税額を控除することができることとなっております。

(12) 課税には”全品一律・単一税率”を

 消費税、仮に、軽減税率を設けるのであれば、その対極にある重増税率部分(例えば、8%に増税(軽減税率部分を5%、重増税率部分を3%と呼称する)である3%部分について追加徴収するとしても、何故、消費税の名目でしなければならないのか? 何故、所得税ではいけないのか、何故、重増税ではいかないのか?

 もっと基本的なことを言うと、仮に、一律に広く薄く全てに課税するという一般消費税の趣旨に添う部分が5%と仮定したのであれば、3%はそうではない。徴収された消費税の使途である社会保障費は、5%を原資とする軽減保障と、3%を原資とする重増保障とで、2個の分配方式が用意されるべきなのに、していない。 ただ単純に、「取りたいところから、取りたいだけ取る」という徴収構造となっている。

 「一律に広く薄く全てに課税する」とは、保険料にも、利息にも、住宅家賃にも、土地の売買代金にも、教育費にも、教科書にも、租税にだって課税していいはずだし、輸出品にも課税OKだったのに、していない。(租税に対する消費税課税とは、公務員給与をその分縮減させることでもある。)

 なお、5%と同等くらいの変動であれば、1週間もあれば為替は動く。つまり、消費税くらいの税率負担率は、為替変動と同程度と考えても、かまわない時期になったとも言える。

(13) 軽減税率の導入阻止

 輸出品は「外国人が買うから、負担させられない」ので、消費税を預からなかった。預かっていない以上、納税義務は無いはずだ。という理屈もありますが、それでも輸出者から徴収する仕組みでいい。
 なぜなら、普通の国内での売買業者だって、「消費税分は値引きます」と言って販売しても、納税を免れるわけにはいかないのと同じで、代金に包含されているとみているからです。 だから、そのような、いわば、みなし規定の考え方を敷衍していけば、輸出品からも徴収は出来ます。

 輸入消費税は業者に預けることなく、直接、国に納める仕組みとなっております。つまり、他人に預けるというワンクッション無きまま納付されてしまう、消費税としてはおかしな感じです。 このおかしさが許されるのであれば、輸出品に課税することくらい、たいしたおかしさではありません。

(14) 輸出額の対GDP比は、11.5%(2011.8の論考から)

 我が国輸出額の対国内総生産(GDP)比率は、約11.5%(中24.1%、独33.7%、韓43.4%)と低いから、仮に10%の円高によって単純に円ベースの輸出額が同じ割合で減少したとしても、GDP全体へのマイナス寄与度は1%程度。<この部分前掲済み>
 製造業の付加価値の対GDP比率は、2割程度まで縮小してきているし、法人企業の経常利益における製造業の構成比は、2007年まで4割超、2008年以降は3割弱に低下してきた。
 円高は、設備投資や人件費の縮減にはならない。 しかし、輸入原料価格を引き下げるとともに、仮に設備資金の調達や賃金・雇傭契約などが外貨ベースで可能となるのであれば、為替レートによる影響の激変緩和にはなる。
 また、ドル賃金であっても、長期雇用確保のため正規雇用が条件であれば、生産拠点の海外移転による空洞化も食い止められるかもしれない。

(15) 利息も同様です。

 23年秋から、GDP計算に利息収入を含めるようにしたのは、今まで言われてきた屁理屈がとおらなくなったと、誰もが気づいたからです。だから、利息にも課税していいのです。

(16) 重増税率(軽減税率を超える)部分は、別方式で

 ”全品一律に単一税率”の課税制度の枠外になる部分、つまり重増税率部分は、他の種類の税金(所得税や法人税など)に任せればいいのです。仮に、所得税に任せれば、課税最低限などの”あめ玉”は無くなり、国民全員が、たといわずかであっても所得比例の所得税(個人所得税、法人所得税)の納税をします。

 ここまで来ると、もう、おわかりのように、サラリーマンであっても自ずと、給与額だけを集計して所得税計算をしていたのでは片手落ちとなることが分かります。
 皆が、申告をすれば、皆が税金に真っ正面から向き合います、これは、国民としての自覚を生む、よい機会となります。
 自ら納める仕組みに乗れば、人々は、今のような不毛な税金論争をかいくぐって、自らの税金への思いを語ってくれることでしょう。
 今よりは、もっと積極的に政府の方針に賛成してくれるかもしれませんし、反対してくるかもしれません、いずれにしろ、自分のこととして考えるようになるでしょう、それはよいことです。

 「誰もが負担し負担できる範囲内での課税率」、これが税率の在り方です。
 まず、広く薄く課税という仕組みを作る。たとい1%でもいいから、全てに課税する仕組みを作ることが先決で、そのためには、現在の多段階控除方式を取りやめるという方式だってあり得ます。
 その方式だと、売上高の〇〇%相当額の納税額となって、計算の不得手な人でもできる簡便簡潔な方式に変わりますから、免税業者層を、わざわざ作る必要もなくなります。具体的には、ぜんざいの所得税や法人性の申告書の表紙欄外に1%税=売上高 x 0.01=〇〇円と付記するだけで可能です。
 例えば消費税1%の課税は、普通の会社の利益率計算でいえば、利益率が1%悪化することになって、分かり易い。そうなると益税だ、取りっぱぐれたなどの言い争いもなくなります。

(17) 税務調査のやり方は参考になる

 印紙税だって額面比例で高額になりますから、例えば売上高比例の課税だって、それほどおかしな仕組みではありません。 なお、印紙税は、取引の安定を紙片に託すという契約書面社会の風潮を基礎において課税します(口約束に印紙税の課税無し)。
 だいいち、消費税の税務調査は、個人所得税や法人所得税の調査と同時に行っている実態からしても、当然の計算方式なのでしょうね、税のプロが、既にやっていることですから、税金の名称にこだわりすぎてはなりません。

(18) 事前申請や届出の撤廃を

 個人所得税や法人所得税の申告書には、売上高が記載されますので、例えば、消費税計算が煩雑で苦手だという納税者は、現在の法人税申告書の用紙の欄外に、その旨(売上高x税率=納付額)記載すれば、申告なんかは、改めて別の用紙でする必要もないくらい、簡便に出来ます。所得税の確定申告書でも同じことです。だから、売上高〇〇円以下の業者に対する免税措置などの苦肉策も不要になります。

 インボイス方式に異を唱えるつもりはありませんが、このように仮に、売上高の〇〇%の納税という仕組みでもよいとなれば、今の個人所得税や法人所得税で使っている売上高の把握資料だけで消費税の納付額が、たちどころに計算できるメリットが出てきます。そうなると、インボイス方式の導入是非などを議論する必要もなくなります。

 人それぞれの好みで多段階的控除方式による計算(現行の消費税計算方式)か、売上高の1%か、選択して、申告し納付することも認めていいのかもしれません。
 ギチギチに税金計算をさせるのではなく、創意工夫をして簡便簡易な手法だって、複雑困難な手法でコストをかけるかは、納税者に任せればいいのです。
 そのため、利益差額に課税をする方式でもいいし、売上高に課税する方式でもいい、しかも、後日の税務調査で選択をし直してもかまわない。つまり、あらゆる事項の事前申請や届出は不要にしておきます。そうすれば、納税者は、安心して申告が出来ます。

 そのような仕組みにすべき理由は、まず、最近、税務署が質問に応じなくなりました、それとパラレルな対応を税務申告者に認める必要があるからです。
 また、イータックスなどの電子的な申請・申告制度を普及させようとしていながら、その恩典を納税者に与えようとしない片手落ちの仕組みを是正する必要もあります。
 さらに言えば、申請や届出の間違いやしなかったことで、納税者が苦しんでも、納税道義の高揚にはなりません、むしろ、公務員にとっては、「納税者の苦しみを我が喜び」とするかのような、少し違和感のある仕組みなってはいないでしょうか。そのような、IT社会でなかった時期の風習は、止めましょう。

(19) 税率アップの歯止めを

 誰も彼もが薄く広く負担する税金だから、税率は、誰もが負担できる範囲でなければならないことになります。 仮に軽減税率を設けるのであれば、全ての人が、この税率までは受容できるという水準ですから、ここまでが一般消費税の枠内ということになります。そこを限度にし、これを超える税率部分は、他の税金種目に任せればいいのです。

 複数税率の導入は、軽減税率部分さえくっつけておけば、重増税率分は青天井としており、歯止めが無くなります。だから想定している軽減税率に留めれば、結果的に、税率は青天井ではないという歯止めが組み込まれたことになります。 所得税や法人税に海外との比較で水準を決定しているわけではないのに、消費税にだけ海外、それも北欧を引き合いに出すズルさを感じます。

 この歯止めは、他方において、税金で暗躍する人を無くし、誰もが計算できる計算簡便な仕組みとし、しかも納得できる低税率で、皆の支持が得られます。とても重要なラチェット効果なのです。

(20) 軽減税率と天引き徴収の弊害

 もし複数税率制導入で、軽減税率を創設してしまうと、軽減の恩恵を受ける産業に属する業者達の、いわば、軽減チームの面々は、消費増税を鼓舞することでしょう、今回は、どうも新聞代が、その方向にあるように感じます。そういえば、23年春から、消費増税反対の世論の声も載らなくなり、24年夏の国会議決に結実しまいた。
 新聞界にあっては、いびつな報道と世論形成をさせますから、正しい税制へ関心の芽を摘むことにもなり、将来の納税者である子供の教育上も宜しくありません。

(21) 源泉制度の撤廃

 源泉徴収制度を温存させると、”物言わぬ納税者”が多くなり、自由勝手な税の仕組み替えが頻繁となっているのかもしれません。源泉徴収制度の廃止と自主納税方式が行き渡ってくると、納税者が、税金の仕組みのお目付役となってくれるかもしれません。
 差し当たって、400万人の公務員の源泉徴収を25年2月支給の給与・俸給の支払いから撤廃する。公務員なら、取りっぱぐれはないでしょうから、現実的にも手始めはここからが、よろしいでしょう。

 重増税率部分を他の種類の税金(所得税や法人税など)に任せれば、サラリーマン給与から控除すべき源泉徴収額の算定方式が変化します。この考え方の延長線上には、源泉所得税の徴収制度は不要という考え方があります。

 それはさておき、源泉徴収が無くなれば、その年の副次的効果は、”何となく裕福に感じて、毎月1回の外食が2回に増える、テレビも買い替える”などして、消費が上向き景気がよくなり始める。そうこうするうちに、翌年払いの税金の納付時期が近づく、でも、そのころには、もしかすると残業も増え、昇給もして、負担感も和らぐこととなる。そんな夢プランもありうるのです。
 なお、民間人は、26年4月からでいいし、外国人からの源泉徴収の仕組みは、現状をそのまま堅持します、けっして撤廃しません、外国に逃げられたら追っかけるのは大変ですから。さらに、国内の人々から集めた税金を使って逃亡者をかめなければならなくなるからです。

(22) 特定目的にしか使えない税金のこと

 税政策効果の曖昧性を払拭
 また、制度変更の影響を、他の仕組みと混ぜ込んでカウントしてしまったのでは政策の良否の判定を鈍らせます。特別会計化の実施と、消費税の税率変更と、消費税の計算手法の変更とは別々に進めないとなりません。 それぞれの施策は、単独実施で組み立てられております、縦割り行政ですから当然の作り方です。
 政治は、それを吟味もせずに、十把一絡げで実施させますから、いつも想定外のことだとして、相互に責任のなすり付け合いが行われて、推進者の責任が曖昧になります。 政治家と行政のもたれ合い減少とでも言うのでしょうか、相互に責任を追及しない、責任追及とは、杜氏の担当者が仮にリタイアしていたとしたら年金ストップをし、現役なら更迭首切りをすると言うことです。

 単独実施の計画立案者が悪いのか、政治が悪いのかはともかく、今のままの議論で進めると、いつまでたっても、政策の失敗がウヤムヤになります。

 政策に無謬性が観念されていたのでは、赤字続きの財政からの脱却は出来ません。「ウソを突き通していればウソつきではない」つまり正直者、これはおかしいですから、制度変更にも時間的・段階的実施という歯止めが必要です。

 現在、消費税は、一般会計と特別会計と企業会計の3つの財布の内、一般会計に入って、一般会計用の予算の中で使われています。 仮に、消費税を、目的税化するというのであれば、まず、特別会計の予算の中に組み込んでから使う、いわば明朗会計にすることが先決で、25年4月1日からでも出来るはずです。

 ちなみみ、一般会計は90兆円規模で特別会計は200兆円規模ですが、独立行政法人も10年たって支出が不明朗だと気づき制度改革をするようですし、特別会計の使途についても見直しが要るというのは、従来から言われております。必ずしもに明朗になるわけではありませんが、まずはじめの一歩と言うことで、増税よりも、”明朗会計”にすることが政策の最優先課題なのです。

(23) どのような税金であれ、国富・国益を通じて外国との調和が要る

 これまで目的税化せよ、特別会計扱いにせよと、書いてきました。しかし、目的税化すると社会保障の予算執行が硬直化したり、他の分野の予算の節約なども進まなくなり、200兆円の特別会計と同様に国会にあっては族議員が跋扈します。

 複数税率方式を採って軽減税率を採用すれば、その産業に属する人達を、いかようにも操作することが出来る政治の仕組みが生まれます。他方、軽減産業では必要な工夫や改革が進まず、斬新さや革新が失われ、それを目指す人々は、ますます産業空洞化に拍車がかかります。納税者にとっては不愉快です。

 セーフティーネットと言われる概念があります。最後の砦というか、この一線は越えられないという最低レベルに張られた安全網なのだそうです。 果たして、社会保障の水準は、広く薄く課税する一般消費税にふさわしいレベルにあるのかどうか、おカネの出口と入り口とから行うべきだった対応関係の吟味が、まだまだ足りない。

(24) 消費税導入の歴史

 消費税(3文字)は平成元年4月1日からスタート、その後、村山内閣で内定させてから橋本内閣の平成9年4月1日から消費税等(4文字)となって5%に引き上げてきた。平成16年には「総額表示」なるヌエ呼称の”税込み価格表示”の推奨どころか義務付けまでして、消費税額を見えなくなって、消費税が例えば加工労賃のように、あたかも”当然の製造コスト”という振る舞いになって、慣らされてきた。

 平成元年当時、挙げられていた導入メリットの中には、@外国人からも徴収できる。不正な在日外国人であっても、日本国内で消費活動をする限り徴収できるから、不法滞在外国人からの徴収もできて好都合だ。A犯罪資金であっても消費の過程を通過することにより、あるいは不法滞在の外国人であっても食事をしたり物を買ったりするときに税金徴収ができて好都合だ。今でも、これらのメリットは存在します。

 このあたりを衝いて、一時的にでも日本に滞在したことのある外国人であれば、将来、外国人が日本の社会保障をよこせと、言ってくるかもしれません。
 現在、社会保障の支払先は、事前登録された者(その殆どは日本人国籍者)に向かいますから、納付者と恩恵を受ける者とがズレています。
 例えば、「これって正義なのでしょうか?」とサンデル先生なら質問してくることでしょう。 しかも、社会保障に特化させ目的税化したのであれば、他の予算とは区分管理されており、なお一層、強く主張してくるでしょう。これは大きな社会的な負の遺産を将来世代に残すことになります。

 こうなると、24年夏の消費税アップの国会議決は、遅々として進まない外国人参政権の議論にしびれを切らして、外国人向け社会保障・年金受給権の確立を先行させた結果と見た方がいいのかもしれません。

(25) 税率・免税・有権者・1人一票

 さて、自転車とインフレ率の数値はこれまでにして、「消費増税と税率引き上げと」は、コトバを差し替えることにより何を目指しているのか。貧困化された社会なのに、消費税率10%と引き替えに低所得層に軽減税率や免税をという声に繋がって、もともと、貧困国民全てが軽減税率の適用時期なのに、捨象されてしまっている。

 軽減税率適用者であっても投票権は立派に1票だ。サラリーマンで確定申告もしない者でも立派に1票だ。納税は国民の義務というのであれば、義務を履行する過程(確定申告による納税)も等しく経験させ、所得税の天引き徴収制度を撤廃して自ら進んで納めさせる仕組みに直さねばならない。

 そのようにして直された仕組みでないから、納税の痛みを知らずに議決権行使をし、財政破綻と言われても、執行者やその監督者の公務員や議員の取り替えが利いていない。つまり政権にも税制にも抜本的な仕組み変更が加えられないでいる。

(26) 軽減税率を住宅取得価格にも

 今、住宅取得価格には減免を、なんて話が出てきた。 本来なら、全物品と全サービスに減免税率を一律に適用する、そのかわり全ての人々に課税して洩らさない。減免物品と減免業者とによる官民の複合連携関係者は消費増税を後押ししている。だから今こそ、連鎖と連携を断ち切るときだ。

 「足りない足りないは工夫が足りない」まずコスト半減だ、そして、いまの税率を変化させずとも、納税時期を、せめて1年遅らせれば、起爆剤になり得るかもしれない。
 ネコ騙しみたいな政策だが、コスト半減策に、これをかませれば、産業は維持し復興が始まる。近い将来、想定外だったなどと言わなきゃならない嘘をつくり出す必要もなくなる道だ。

(27) 極東の減免特区5%地域という生き方

 具体的には、1年遅らせるのは源泉所得税を撤廃して各自の自主申告納付にすれば出来る(今日からでもすぐ出来る)し、税率不変は消費税等の据え置き、コスト半減は予算の見直しだ。  世界の消費税率並みにということを言い出す人もいるが、各国は減免特区方式で地方経済を活性化させてもいる。日本は世界の田舎になったのだから、今進むべき道は、世界の極東の日本全土減免特区5%地域という生き方だってあるはずだ。

(28)  こんな発言例もある ( 2005年11月29日 消費税の使い方 )

 名目上の消費税の使い方は、福祉になっているのですが、確実に使われているかと言うとちょっと疑問が残る状況なんですよね。 消費税の使い方の中で、まず消費税で得た5%は、次の税率で2つの場所に送られるようになります。
    国税 4%(国用)  地方消費税 1%(都道府県用)
 そして、消費税の使い方は、一般会計と特別会計と企業会計の3つの財布の中で、一般会計と言う所に入って、一般会計用の予算の中で使われることになっています。

 一般会計と特別会計をもっと簡単に説明します。
 国税の一般会計の中で使い、総額で約82兆円、この一般会計の中で、消費税の税収の割合は、12.4%。(参考資料:一般会計のページ)

使途 使途割合 税収割合 一般の税収
社会保障 24.8% 消費税 12.4%  
公共事業 9.2% 所得税  
文教及び科学振興 7.0% 法人税  
防衛費 5.9%    
その他 10.7%    
地方交付税交付金 19.6%    
国債費 22.4%    
その他 0.4%    
  100% 100% 82兆円

 そして、地方一般会計とは、都道府県レベルであれば、各都道府県毎に使う比率が違うと思いますが、使用目的は学校、府営住宅、道路、河川、流域下水道、警察署などの建設をはじめ、介護保険や障害者に関する社会福祉、食品の安全性の確認や救命救急センターの運営に関する保健衛生、環境保全、労働福祉の充実、産業、教育・文化の振興、警察活動など、地方公共団体の行政運営の基本的な経費や事務事業を網羅して経理する会計です。

 そして特別会計とは、特定の事業をするために特定の歳入を使って、会計することです。国であれば、厚生年金、電源開発促進対策、自動車損害賠償保障事業など。地方であれば、国民健康保険や介護保険、競艇場などがあります。(参考資料:特別会計のページ)

 それゆえ、消費税の使い方が特別会計で扱われれば、特定の目的でしか使えないので、100%高齢化対策、福祉対策として使われるのですが、今の消費税の使い方のように一般会計の中に入っている限りは、“高齢者対策や福祉に使われているかも”って感じで、確実には使われていないんですよね。

 もっと具体な例として説明しますね。一般の家庭で置き換えると解ります。
 主婦が普段使っている財布に給料と一緒に消費税で得た税金を入れ、それで食費、育児費、医療費、住居費、借金して買った車、時計の支払いとかをやりくりして、“私は、おばあちゃんと子供の費用に消費税を使っています。”と言っているのと同じなんですよね。(その使っている割合が、おばあちゃんや子供よりも、借金の支払いの方が多いんですよね。)

 それに対して特別会計とは、将来マイホームを買うために積み立てている住宅貯蓄などの特定の目的のために通帳を別にして管理して、それ以外には使えませんよと決められているものです。
 ここで出てきた一般会計と特別会計の規模は、一般会計の2.5倍ぐらいの規模が特別会計になっているんですよね。
   一般会計  82兆円。
   特別会計 205兆円。

(29) SNAと産業連関表の比較

        (10 億円)
    SNA(平成 12年) IO(平成 12年)  開差 
  住宅賃貸料 61兆円 56 5
  持ち家の帰属家賃 50兆円 44 6
(注)持ち家の帰属家賃は住宅賃貸料(借家家賃含む総家賃)の内数。IO の帰属家賃には給与住宅差額家賃が含まれる。


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